活版印刷の歴史

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■活版印刷とは
活版印刷とは、活字を組み合わせて作った版(活版)を使用して印刷をする技術、および印刷物のことです。 鉛版、線画凸版、樹脂版、などの印刷も含めて活版印刷と言う場合もあります。
■活版印刷の歴史
最初に木版印刷及び活字印刷を行ったのは中国とされています。

年代がはっきりしている印刷物で現存する最古のものは、法隆寺等に保管されている日本の『百万塔陀羅尼』(8世紀)となります。称徳天皇が発願して770年に完成させたと伝えられています。

中国のものでは1800年に敦煌で発見された経典『金剛般若波羅蜜経』(868年頃)があり、9世紀以降には大量の印刷物が作成されています。

活字自体の発明はかなり早いとされていますが、活字を並べた組版による印刷については、11世紀、北宋の工人畢昇の名が知られています。沈括による『夢渓筆談』(むけいひつだん)巻十八技藝に記されているもので、1041年 - 1048年頃に、膠泥(こうでい)活字を用いて行ったといわれています。

現存する世界最古の活字による印刷物は、温州市の白象塔から発見された北宋崇寧年間(1102-1106年)印刷(膠泥活字)の『観無量寿経』です。

12世紀半ばから13世紀初頭に西夏で印刷されたと見られる、内モンゴル自治区のエジン旗から発見された西夏文字による仏典や武威市で出土した維摩詰所説経が現存しています。

13世紀には高麗にも活字印刷が伝わったようで、『詳定礼文』(しょうていれいぶん)の跋文には同本が1234年 - 1241年頃に、28部を鋳造活字により活字印刷したと記されています。

日本へは13世紀末に活字の技術が伝わり、江戸時代の直前から初期に至ってキリシタン版や嵯峨本などの活字を用いた印刷物の増加が見受けられています。

活字を使用した印刷では、特に中国や日本のような漢字文化圏の場合、活字の本数が膨大なため、活版印刷はあまり定着しませんでした。江戸時代中期以降の日本では木版印刷(一枚の板で版を作るもの)が盛んになりました。

日本で本格的に活字を使用した活版印刷が行われたのは、万延元年(1860年)以降になります。洋文書物『ファミリアル・メソード』が印刷され、文久年間には邦文活字も作られて二十数部の書籍が版行されました。洋学書、翻訳書の復刻版、翻訳新聞の三種であり、この翻訳新聞が日本最初の活字新聞となります。

その後、出版部数の増大、紙型の発明により、19世紀末より日本など漢字文化圏においても、活版印刷が普及しました。

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